国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

ほんの少し前まで降りしきっていた雨は上がり、

湿った土の匂いがうっすらと漂っている。


石塀の後ろには、ぼんやりとだが、大きな月が姿を現し、

ぼやけた輪郭が、幻想的な雰囲気をかもし出していた。


そして、その月を背負ったかのようにして立つ黒い影が、凛とした音を発した。




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