国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
広い空を自在に泳ぎ回る雲たちが、ゆっくりと月を覆い隠す。
天空に座す彼らから見れば、幾星霜を経て繰り返される男女の睦事など、
塵芥(ちりあくた)に等しい出来事に違いない。
しかし、マルスにとって、それは、奇跡にも等しい出来事だった。
「レア。
妻にしてくれと、そう言ったのか?」
レアがこくりと頷いたとたん、マルスは彼女を、かき抱いた。
「レア!!」
彼女の存在を確認するように、マルスは両腕に力を込める。
壊れるくらいに、強く、強く。
いっそ、自分の腕の中で、この愛する女を、壊してしまいたい。
マルスは、レアの唇を奪うように、己の唇を押し付けると、そのまま彼女の体を寝台に押し倒した。
「もう、俺以外の誰にも、お前をやらない。
お前が嫌だといっても、俺は生涯お前を離さない!」