国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
狭い家の中に入りきらない人々が、家の外に人垣を作っている。
一人が、近づいてくる人影に気付くと、全員がそちらを向いた。
「サザメ!ほら、レア様が来て下さったよ!」
男は、ぐったりと横になった中年の女のもとへと駆け寄った。
すぐ傍には、子供たちが、すがるような瞳で、室内に入ってきたレアを見上げている。
「お願いします!急に胸を押さえて苦しいって言い出して」
「わかりました。ちょっと失礼しますね」
レアは、女の首に指を当てて、脈を取ると、体のあちこちを触り始めた。
「前から、胸の痛みがあったのではありませんか?」
レアは、青白い顔をしている女に、不安を与えないよう、なるべく平静を装った。
はい、という女の言葉に、夫である男が、感情的に反応した。
「どうして、俺に言わないんだ!体調が悪いなんて、全然知らなかったぞ!」
「しばらくじっとしてたら、治まってたから、大丈夫だと思って・・・」
女は、力なくそう言うと、レアを見上げた。