国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
祈りの間に響く足音が、レアの前でピタリと止まると、
自らの運命を悟ったレアは、顔を上げ自分を裁くであろうマルスの瞳を逸らすことなく見つめる。
・・驚いたな。
追放を恐れて泣きじゃくっていた時とは、まるで別人だ。
レアの体はわずかに震えていたが、強い意志を感じさせるその碧の瞳からは、
罰を受けるものとして罪人が一様に持つ、恐怖という感情を微塵も感じさせなかった。
・・俺は、この瞳がほしい!
この世に生を受けて、19年の間、
人にも物にも、およそ執着という感情を見せたことのないマルスに、
初めて芽生えた感情だった。