国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

マルスの動きを決して逃すまいと、周囲は固唾を飲んで見守る。


「レア」


マルスが重々しく口を開いたとたん、

レアは自分の鼓膜から甘い痺れが広がり、脳全体を侵すのを感じた。



・・自分の名前を呼ばれただけなのに、

どうしてこんなに、胸が締め付けられるのかしら。



レアは、罪を暴かれても潔くそれを認めるのだという決心が、危うく鈍りそうになり、

必死で唇を噛み締めた。




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