国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
はい、マルス様、と動揺を隠して、レアは落ち着いた声で答えた。
レアの返事を聞くと、マルスは満足げに口の端をあげ頷いた。
「お前は今から上級巫女に任ぜられるが。
見習いから下級、中級を飛び越して上級巫女になったものなど、
俺はいまだかつて見たことがない。
ウルウ神官長によれば、
いまから100年ほど前に、そういう人物がいたらしいが、
俺は、お前がそれに値するのかどうか知りたい。
今からここで、
このウェスタ国の創世記の口伝を、
暗誦してみせよ」