国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

「神官長様!!

私も、神官長様に認められたレア様の素晴らしい口伝の暗誦を

聞いてみとうございます」


部屋中に響き渡るような大声で、マルスに賛同したのは、上級神官のシギネアだった。



・・ふん!そんなもの無理に決まってるじゃないの。

私だって、創世記は1章を覚えるのがやっとなのに。


どうやってウルウ様に取り入ったか知らないけど、

王の前で赤っ恥をかけばいいわ。

そうすれば、ウルウ様だって上級巫女にはできなくなる。



シギネアは、ギラギラと目を輝かせて薄く笑った。


シギネアに呼応するように、祈りの間でのざわめきが波のように広がっていく。




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