国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

明るい日差しが差し込んでいた祈りの間は、

やがて短い影を映すようになり、

今度は向きを変えて、だんだんと長い影を映し出した。


その間、誰一人としてレアの語りを止めることはしなかった。


無理だろうと、鼻で笑ったシギネアでさえ、そのよどみのないレアの美しい語りに魅了され、

身じろぎもせずに、耳を傾けていた。


そうしてとうとう、レアは、最後の一文を口にした。


『やがて、シルウィクがウェスタを建国し、初代の王となると、

王の名に、シルウィクを冠し、

神官長の名に、シルウィアを冠することとなった。

これが、ウェスタの創世を記す物語である』







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