国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
石造りの巨大な外壁が、うっすらと朝日に照らされるころには、
その広い室内はしずまりかえり、空き家のようにほとんど人の気配がしなくなる。
まだ夜も明けきらないうちから、畑に出ていた巫女見習いや巫女たちは、
すでに額に汗をかき、朝食用の新鮮な野菜たちを収穫していた。
「それにしても、胸がすっとしたわ~」
サラは、野菜についた土を掃いながら、隣にいるレアにだけ聞こえるように、
こっそりと話しかけた。
「もう、その話はいいじゃないの」
レアは、手を休めないまま、表情を変えずにつぶやくように答える。
昨日、巫女の任命式で一身に注目を浴びたレアは、
多くの賞賛と驚きの拍手、そして一部の嫉妬に迎えられて、上級巫女の称号を授けられていた。