国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

レアは、無事に上級巫女となったものの、心は晴れないままだった。

それは、尊敬するウルウ神官長を非難されたくなくて、ウェスタ創世記を暗誦してみせたものの、

そのせいで結局は自分を偽り、

神の前で、純潔の誓いをたててしまったことに深い罪悪感を覚えているからであった。



・・こんな罪深い私を、神は決して許さないでしょう。



レアは、自分の気持ちを完璧に隠せるほど器用ではなく、必然的に暗い顔になった。


昨日までと違い、巫女とすれ違うたびに、彼女らは自分に道を譲り頭を下げる。

それはもちろん、レアが上級巫女という位を得たせいであるが、

それ以上に、彼女の暗誦に心を動かされたものが多いことが大きかった。


その証拠に、同じ上級巫女や神官の中にも、彼女に頭を下げるものが少なくなかった。


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