国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

これまでの6年間、ただの一日も欠かさなかった朝の祈り。

ウルウの声も、言葉も、ウェスタの巫女たちの復唱も、差し込む陽の光さえも--、

何もかもが全てこの6年間と同じ、朝の風景。


ただ一つ、レアの心だけが、天と地ほどに乖離してしまった。


大勢のウェスタの巫女や巫女見習いの誰もが、これからの彼女の明るい未来をうらやむことはあっても、

その心が闇に沈んでいるなどとは、思いもしない。


神官長のウルウは、口伝の語りを続けながら、一人一人のウェスタの巫女の顔をつぶさに観察する。

ふと、レアの唇の動きが、精彩を欠いているように思えた。



・・あの子が集中できないことなど、今までなかったことだわ。



この後に控える、重要な任務に影響がなければよいと思いながら、

ウルウは、別の巫女へと視線をうつした。






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