国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

祈りが終わったとたん、レアはすばやい動きで扉へと向かった。

まるで、神の怒りを恐れて逃げ去るように。


しかし、それはレアを呼ぶウルウの声に阻まれて、かなうことはなかった。


「レア。あなたに大事な話があります。このまま私と一緒にいらっしゃい」


“大事な話”という単語に、レアの大きくない体が全身で反応を示す。


これでやっと、楽になれる。

王だとて、神の前に嘘を突き通すことなどできはしまい。


ほっとすると、レアはこの時、初めて自分の肩ががちがちに固まって力が入っていたことが分かった。











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