国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
ウルウは神官長補佐の二人にそれぞれ仕事の指示を与えると、
自分はレアを連れて、歩き始めた。
それは、神官長たちの住まいとも、食堂とも違う方向で、
レアは、どこへ行くのか分からないまま、黙ってウルウの後に続いた。
やがて、ウルウは王宮と神殿を繋ぐ、渡り廊下までやってくると、
そのまま長い廊下をとまることなく進み続ける。
「あの、ウルウ様!そちらは王宮でございます」
頭脳明晰なウルウが間違いを犯すとは思えなかったが、
レアは、指摘せずにいられなかった。
許可なく王宮に立ち入ることなど、ただの巫女であるレアには当然許されないことだ。
てっきり、磔になることを宣告されるのだろうと予想していたレアは、
ウルウの行動がいまひとつ理解できなかった。