国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

ウルウは神官長補佐の二人にそれぞれ仕事の指示を与えると、

自分はレアを連れて、歩き始めた。

それは、神官長たちの住まいとも、食堂とも違う方向で、

レアは、どこへ行くのか分からないまま、黙ってウルウの後に続いた。


やがて、ウルウは王宮と神殿を繋ぐ、渡り廊下までやってくると、

そのまま長い廊下をとまることなく進み続ける。


「あの、ウルウ様!そちらは王宮でございます」


頭脳明晰なウルウが間違いを犯すとは思えなかったが、

レアは、指摘せずにいられなかった。

許可なく王宮に立ち入ることなど、ただの巫女であるレアには当然許されないことだ。


てっきり、磔になることを宣告されるのだろうと予想していたレアは、

ウルウの行動がいまひとつ理解できなかった。





< 72 / 522 >

この作品をシェア

pagetop