国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

しかし、マルスにはレアの涙のわけが分からなかった。


「何って、涙をぬぐってやっただけだが」


そんなにも嫌われているのかと思うと、マルスの胸がちくりと痛んだ。


「ぬぐったって。く、口付けを。

私、私は、巫女の誓いを、純潔の誓いをたてたのに・・。」


レアは、怖さと恥ずかしさで、小さな声しか出せなかった。



・・やはり、もっと早くに、自分の罪を告白すべきだった。



今更ながら、レアの心に後悔がつのった。


マルスは、レアの言葉で、彼女が何に苦しんでいるのかようやく理解した。



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