ピンクの恋路
私がそう言うと、先輩は悲しそうな表情になった。
あぁ… そうか。別れ話だ。
なんとなくそう思って、それから私は何もしゃベらなかった。
「…ケンカ、悪かった。いつも俺が悪くてさ」
え??
別れ話じゃないの??
「ううん… 私も悪かったよ」
一瞬心の中に嬉しさが呼び戻った。
そんな嬉しさも束の間…
「別れて欲しい…」
やっぱり…。 私の心はまた、いっきに悲しくなった。
「 …うん」
素直に私は返事をした。
「ゴメンな。あんま良い思い出作ってやれんで」
「私こそ… 初めてだったんだぁ。彼氏」
「 …え?」
「先輩が初めてだったの」
私は屋上のフェンスにもたれかかった。
「そうなんや… だったら余計悪かったな。初カレがこんなんで」
先輩はまた悲しそうな顔をした。