魔女と魔獣
私が出掛ける用意をしていたら
父親がニコニコしながら
近づいてきた。


「出かけるのか?」


「うん!友達のとこ。」


「これ、持ってきなさい。」


父は私の手にお金を
握らせた。


「え?これって?」


「よく手伝ってくれるから
おこづかいだぞ。
ママとばあちゃんにはいうなよ。
おそくならないよーにな。」


「ありがと~パパ~」


私はパパにお礼を言って



軍資金に
歓声を上げた……



「マサ代は少し変わったな。
前はパパのこと
毛嫌いしていたように
感じていたけど?」



「違うよ。
年頃だからだよ。
嫌ってなんかないよ。
パパ~」

私はさびしそうな背中に抱きついた。


ほんとうのマサ代のできなかったこと
桃子の時もできなかったこと



パパはさびしいんだよね。
                                                    
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