魔女と魔獣
こっちに向かってきた一向が
私を見て
驚いた。


「なに!?マジュのコレか??」
おじさんが小指を立てた。


真重が怪訝な顔で
「何してんのよ。」
私に凄んだ。


おばさんが駆け寄って
マジュの後頭部をパンと叩いた。


「あら~ちょっとお似合いだね。
マジュにもいい子いたんだね。」

おじさん、おばさん
パワ~が炸裂していた。


「おじさんのヘルメット貸してやるわ。」
工場から走ってきたおじさんが
メットをマジュに手渡した。


「ほれ!」


「ほれ!」

「送ってやんなさい!!」


おじさん臭いメットをかぶせられて
マジュの後ろに座らされた。


「ちゃんと送んなさいよ!!」


マジュのバイクが爆音をたてて
エンジンを吹かした。

あれよあれよという間に
走り出した。
私はあわてて
真重の腰に手を回した。
< 131 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop