魔女と魔獣
「ちょっと、待ってて。」


真重が階段を二段抜かしをして
上がって行った。


私はそのあとをゆっくり上がっていく。


小さい真重は
ここで膝を抱えていた。


あの時と同じ
星が広がっている。



真重が玄関を出てきた。


「何してんの?」


「うん、星がきれいだね。」


「行くぞ!」
ムッとしたような顔をして
階段を降りようとした。



「ほし。」


「しまうま。」


真重が驚いた顔をして
振り返った。


私は静かに真重を見つめた。


「……まんじゅう?」
真重が静かに言った。



「うなぎ!!」
私は嬉しくなった。


「ぎんなん!!」

真重が私前に立った。


「早いでしょ?」


「うなぎ食べたいな……」
真重が私を抱き締めた。
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