魔女と魔獣
風が気持ちよかった。

私は真重の腰に
しっかり手を回した。


バイクは爆音を立てて
国道を走る。

私はバイクより
自転車のほうがいい。


 今度二人乗りしてもらおう。



「おまえ名前なんだっけ?」


「私はまにょ。」

エンジンの音にかき消される。


「何?魔女?」


「あはは~魔女と魔獣だね~」



「マジに魔女?」


「志村 マサ代。」


「俺は、江口 真重。」

「知ってるよ~!!」


信号が青に変わった。



「俺と付き合って!!!」


真重が大きい声で叫んだ。


答えの代わりに
腰をぎゅっと抱きしめた。
< 135 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop