魔女と魔獣
六の巻 幸せ色

わがまま

この時代には携帯っていうのが
なかった。


携帯があれば便利なのに


未来の若者は
恵まれているな~

そう思った。



真重は忙しかった。
学校が終わると
自転車で家に帰り
バイクに乗り換え
工場にバイトに行く。


5時から9時まで働いて
アパートに戻る。


工場は
土日休みだけど
土曜は昼まで寝て
たまっている一週間分の
学生の仕事を終わらせ
土曜の夜は集会がある。


私との時間は
日曜日しかないけど
土曜の夜は朝まで
走っているから
結局日曜日は午後からしか
自由な時間がなかった。



会えない時間で
愛は膨らむ………


いつしか私の心は
真重でいっぱいになる。


< 137 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop