魔女と魔獣
「家になんもないから
買い物していこう。」

真重のアパートの近くの
大きなスーパーに寄った。


カートを押しながら
一緒に歩くと
ウキウキした。


「ちょっと待ってろ。」
真重の表情が固くなった。


一人で先に歩きだした。


私は真重の少し後を歩く。


「おう!!兄弟!!」


真重を待ち構えるグループがいた。


中心に立っている
男を見て私は驚いた。


 似てる・・・



真重はその男の前に立った。

背もまったく同じだった。


「なんだ?魔獣の女か?」
馬鹿にしたように私を見た。


グループは一斉に冷やかし始めた。



「俺の前に立つな。
愛人の子が、同等に俺の前に立つな!!」
男は、凄味をきかせた。



真重は歩きだしたから
私もあわてて後をついて行こうと
したときだった。


男がふわっと私を抱きあげた。


「キャッ!!」
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