魔女と魔獣
「何すんだ~」
真重が振りかえって
近づいてきた。


真重の両脇をグループの連中が
つかんだ。


「てめーーー」
魔獣の声が地を這った。



男はいきなり
私の唇を奪った。


なにが起きたのか
一瞬わからなかった。

「いつもこ~やってキスされてんのか?
こいつ人のもの
盗むのうまいんだぞ~
おまえも誰かのものだったのか?」


そう言ってまたキスをした。


私はバタバタ暴れた。
その間も真重は
5人がかりで押さえつけられていた。


男は私を地面に落した。

「いた…」


私はもう頭に血が上った。


桃子の血が騒ぎ出す。
その場で私は男の急所に
こぶしをヒットさせた。



悶え苦しむ男に
近寄るグループの奴ら


「逃げろ!!」


真重が私を抱えた。
「つかまってろ!!」

自転車が猛スピードで走りだす。


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