魔女と魔獣
「オガッチャーラのことで
お話したいんです。」


「いい機会だから
ちょっと話そうか。」
おっさんはえらそ~に
受付の女の人に

「コーヒー3つ持ってこい。」

そう言って
会議室に入るように
言った。



「ジンギスカン屋の娘さんか?」


「志村 マサ代です。」



「で、何の用かな?」


「あのふざけた名前の店を
どうしてうちの前でやるんですか?」


「ふざけた…?
ちょうどいい物件がたまたまあってね。
そこの向いにたまたま
おたくの店があっただけのこと。」


おっさんはコーヒに
一杯砂糖を入れた。


「うちみたいに小さい店は
お宅の作るような店が立たれれば
つぶれるだけだし。
違う場所でやってもらえませんか?」



「子供にとやかく
言われることじゃないよ。
こっちは会社が動いてるんだから。」


「うちは生活がかかってるし
おばあちゃんが悲しんでいます。
おじいちゃんと二人で
頑張ってきたんです。」


「うちも従業員の生活が
かかってる。」

おっさんはコーヒーを
飲み干した。
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