魔女と魔獣
「おやじはきたねー奴だろ?」


ロビーでは真重に
よく似た顔の兄弟が
ニンマリと立っていた。


「ほんときたねーおっさん。」


「あははは・・・
ここのさ、社員もみんな
そう思ってるさ。
家族もさ。」


兄弟は腹をかかえて
大袈裟に笑った。



「俺は小笠原 和重。
アイツと同じ重いって名前。
おっさんは重雄。
あんなやつの名前の一文字
いらねーつーの。」


 和重おっさんが嫌いなんだ。



「おまえ、おっさんに目つけられたから
真重とは絶対一緒になれないよ。
おっさんの使う手は
卑怯だからな。」



「私たちは運命だから」



「あはは・・・
そんな話したって
おっさんには通用しねーし。
現にアイツも
縛られてるからな~
精々、運命とやらの純愛見せてよ。」


和重は外に出て行った。
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