魔女と魔獣
「マサ代、ごめんな。」

父が厨房から声をかけた。


「ううん…わかってるんだ。
でも彼のこと好きなんだ。
簡単には結論出せない。」


「ごめんな・・・」
父の声が寂しそうだった。



「マサ代!!小上がりにコーラ4本!!」


「は~~~い!!」

とりあえず体動かそう。


「マニョ~~!!」


小上がりから声がした。


 ママとパパが手を振っている。


「あれ~~~?
美雪に柴田くん?」


「こんばんわ。」
翔のパパとママ
元哉と香利も座っていた。


「娘さんかい?お母さんに似て美人だ!!」


「いやですね~持ち上げたって
帰りのガムくらいですよ~」
母はいつものギャグで笑わせた。


笑った夫婦は
私のおじいちゃんとおばあちゃん
パパの両親だった。
小さい頃の面影が浮かぶ。




だって桃子のいまの時代に
もう二人はいないから・・・・


桃子の小学校のお祝いのランドセルを
持ってくる途中で
二人の車は、運転を誤って
センターラインを越えてきた車と
正面衝突・・・・
仲のいい二人は
一緒に天国に旅立っていったから。
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