魔女と魔獣
やっとのことで家にたどりついた。

「ただいま。」


「おかえりなさい」
珍しくばあちゃんが
出てきた。


「大丈夫なの?」


「ああ。それよりも
ほれ、あがりなさい。」

せっつかれるように
居間に座らされた。


「マサ代ありがとうね。」
お母さんが涙ぐんでいた。

「え?」


「さっきね、あんたの友達の
あのくそ男の息子が来てさ
向いの焼き肉屋の計画はなくなったって
わざわざ来てくれたんだよ。」


「え?マジュが来たの?」


「あんたとお互いに
同じ気持ちですって。
背負っているものの大きさが
一緒だから
僕は留学することに決めたので
社長の卑怯な手を謝りにきました。
申し訳ありませんでしたって・・・・」


「いつ?いつ来たの?」


「一時間くらい前よ。」


三人はとても喜んでいた。
ばあちゃん笑ったの
久し振りに見たから



「よかったね。」
私は一言だけ言って
部屋に上がった。
< 223 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop