魔女と魔獣
4時少しすぎに車がとまった。

「わるい、少し遅れた。」
後部座席の窓を少し
下ろして和重が顔を出した。



大きく深呼吸した。

 こいつを信じるしか
 真重には会えないから


ドアが開いたので乗り込んだ。



車には運転手と和重しかいなかった。


「マジュの容態は?」


「よくないしょ。ろっ骨骨折
顔じゅう腫れ上がってたし。
頭の検査してるんじゃねーか?」


「そんなことに・・・?
どうしよう・・・・」



電話の音がした。


「うわ、電話がついてんの?
さすがお金持ちは違うわ。」



「はい。・・・・うん。・・・・・そうか?
了解・・・・」


和重がバックミラーを一瞬
見たような気がした。


バイクはついてきている。


「渋谷さん、ちょっと急いで。」


「はい。ぼっちゃま。」


運転が急に荒くなって
私は悲鳴を上げた。
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