魔女と魔獣
「マジュ…助けて…」


体はその悪魔を感じるだけで
動くことができない。
一瞬立ち上がった時の
強烈なふらつきが吐き気を
もよおす。


中心を悪魔が漂う。


「女なんてさ、どんだけ抵抗しても
しっかり味わえば、ここは正直なんだ。
ここだけは嘘をつかない
知ってたか?」


「もう…やめて…
そんなこと言わないで・・・・・」


にぶい感覚なのに
悪魔の動きは頭の先で
今まで知らなかった感覚に変わる
頭の中でこれは
汚れたものだ
そう強く思いこまなければ
違う何かに変身してしまいそうな
恐ろしい波にのまれないように
必死だった。


「バカ、ひきょう者
おまえなんて一生かかっても
マジュに近づけない。」


「口だけはおまえだな~
でも体は俺のものだ。
おまえはもう俺のものだから。」


「絶対にいやよ。」


「もう無理。
感覚が戻ればすべてわかる。
おまえは俺のものになった。
俺をしっかり受け入れたんだ。」



「イヤ~~~!!
もう聞きたくない!!」


和重は体を離して
笑った。


「あいつの入院先だ。」

一枚のメモを残して
部屋を出て行った。
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