魔女と魔獣
どうやってここまで来たんだろ。
足が宙に浮いているようで
私はいつまでも波に
漂っていた。



大きな病院に真重はいる。



「会いたいよ、マジュ……」
悲しくて
涙がボロボロと伝っていく

起き上った時
私の腰のあたりに
シーツに染みた出血の後


よくわからないけれど
初めての時には
それが出ると友人が教えてくれた。


真っ赤な色が
絶望に陥れる。



「ごめん、マサ代……
私があさはかだったね。
あなたは全部マジュのものだったのに
私がきっと間違ったんだ。
許して・・・
マジュにあげるための
大事なもの
こんなことにしてしまって
許してね・・・」



マサ代にわびるしかできなかった。



マジュ・・・
マジュ・・・


もう会っちゃダメなのかな

私は汚れているから
マジュに抱き締めて
もらえないのかな



病院に背を向けて
家へと歩き出す。

 夢ならさめて


そう何度も叫び続けた。


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