魔女と魔獣
いつものように
マリリンは雑誌を読んでいた。


「マリリン」

私はマリリンに抱きついた。

「あなたよかったね。」

「うん。マジュを好きな
マサ代で本当に幸せ。」


「マジュは素敵な男ね。
さ、記憶はいまごろもどってるはず。
ダーリンがうまく
説明してるといいけど
どーも不安だわ。」


私も不安になった。


「留学行きを断念させようと
ちょっと策を練ったんだけど
私がやる前に状況が変わって
何も助けてあげられなくて
ごめんなさいね。
結局この困難を二人の愛の力で
乗り切ったということで
とうとう終わりに近づいてきたわ。
最後はどんな結末なのか
私には想像がつかないけど。
任務が果たせると思って
耐えてちょうだいね。」



「マジュはどうしてる?
この状況を受け入れられる?」


「うん……
でも彼にも任務があるから
きっと。
でもね、この世界で
あなたを愛しすぎて
辛いんだと思う。
まぁ、それはあなたにも言えるけど。」



「彼も現実の世界に
愛してる人がいる?」


「そう、その人を救うために
彼もここにやってきてる。」


「そうなの・・・
やっぱ複雑・・・・
今の彼の心の中に違う人が
いるなんて」

嫉妬が渦巻いていた。
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