魔女と魔獣
 バイクに乗りたい


 春になったら乗れるよ



なんの疑いもなく
私は軽く答えていた。

真重の不安な心など
考えもせずに・・・・

バイクは真重の命だった。

麻痺が残ったとしても
この体には期限があるから


「元気出して…」


なんて言えない。

きっと今
真重は乗りたいだけ
残り少ない
真重としての日々


メンバーと一緒に
思い出の道のりを
真重は走りたいだげ・・・




真重の心の痛みを感じて
あげられなかった。

なによりも
真重が麻痺を私に言わなかったことが
ショックだった。
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