魔女と魔獣
「いつからいるんだ?」


「マジュ…やっと帰ってきた。」


真重はずぶぬれの私を立たせて
玄関のドアを開けた。


「こんなに冷たくなって
風邪ひくぞ。」


そう言ってまっすぐ
風呂場に連れて行った。

「まずさ、その濡れた服を
脱いで、シャワーであったまれ」


震えは目ざめとともに
全身に襲ってきた。
歯がガタガタ鳴って
思うように動けない。


「なんで・・・
こんな・・・寒いんだろ?」



「マ…マジュ・・・ごめん…な…さい…」


震えで歯がガタガタしながら
私は必死で言い続けた。


「バカか・・・」


真重がしゃがみこんで
ただ震えるだけの私と
目線を合わせた。
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