魔女と魔獣
浴室が湯気で視界がぼやけた。

恥ずかしさは
湯気がかくしてくれる。


真重も全裸になった。

そしてまた強く抱きしめられた。
悪寒はやがて
とまって頬が熱を持った。


「マジュ……」


「寒くないか?」


「ごめんなさい。」
真重はシャワーを止めた。


「無神経だった。
傷つけたのに
抱きしめてくれた……」


「やきもちやいた。」
ぶっきらぼうに言った。


「元哉にやきっぱなし。」



「私の態度がみんなを
巻き込んで傷つけているって
そんなこと考えてなかった。
元哉とは友達って言いながら
利用してた。」


「ごめん、俺も過敏だったから。」


「マジュが好き。」


「わかってる。」


唇が触れた。
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