魔女と魔獣
真重のバイクに寄って来ては
後ろに乗っている男は
足でけりをいれるふりをした。


私はそいつらが近寄ってくるたび
真重にしがみついた。


真重の
左足は麻痺をしてるから
右足でなんとか
バイクを乗りこなす。

ただひたすら威嚇をずらしている。



爆音の間から


「おい、魔獣!!
てめーも落ちたな~~~
情けねーぞ。
女乗せてよ。
ナンパなクズとかわらねーな~~」


口汚く罵った。


真重は、ひたすらバイクを走らせた。


「おまえ、麻痺してんだろ~」

そう言って
バイクを思いっきり蹴った。
一瞬重心がずれて
バランスを崩した。


「おい、シャミ!!
なにが魔獣よ~おめーは猫か?」


もう一度足をけり上げた時


私も思いっきり
そいつの足めがけて
蹴り上げた。


まさかの展開に
向こう側のバイクはバランスを
崩して
蛇行運転になった。



「きゃーーーーっ!!」
目を固くつぶった。
< 326 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop