魔女と魔獣
「マジュ、愛してるから・・・・
記憶がなくなっても
きっとどこかに焼き付いてる。
私はもうペチャパイだけど
マサ代とは全然違うけど
きっときっと忘れない。」



「あれ?根性焼きは消えたかな?」



「思い出の根性焼き。」





「今触れあったら
お互い違う人間になってるけど
キスしていいか?」


「私もしたいよ。」



「いいよな。
俺ら現代を裏切ってるわけじゃない。
ここに戻るための
儀式だよな。」



「うん、ね、早く見つけて。
もう時間がないよ。
私はここにいるから。」


「もう、姿見せていいから
明るくなれっていいたくなる。
こんなに求めあってるのに・・・・
過去に戻って
本当に人を愛すること
わかった気がする。
携帯も便利なものも
なんにもいらない世界は
俺を強くしてくれた。
まっすぐに人を愛して・・・・・
愛されて・・・・・
記憶がなくなっても
おまえとの時間は絶対に忘れない。」


「声が近いよ。
ここよ、マジュ!!」


暗闇の中一瞬触れた
真重の手は私の手をしっかりとらえた。


何も見えないのに
真重の体の硬さと
唇の熱さが私を包みこんだ・・・・


「やっとつかまえた。」



「会いたかったよ。」



別れの時間は迫っていた。
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