魔女と魔獣
おじさんは

私の腕をつかみ家の敷地に引っ張った。


門柱に柵をした。



「うわ~~」
なつかしい風景が広がる。

翔の家は金持ちだった。
よく手入れされた庭は
あの時代と同じ


太い桜の木の幹にいたずらして
翔と傷つけた時


おじさんにこっぴどく
叱られた。
おばさんも
そんなに怒らなくてもって
とめてくれたっけ。



それから罪悪感で
桜の木を大事にした。

私は引き込まれるように
桜の花がハラハラ舞う
木の幹に

いつものように手をまわした。



 私帰りたい・・・・・
 帰って翔に謝りたい・・・・



この想いを翔に届けて・・・・



小さい頃
二人で巻きついたっけ




桜の花びらが強風で
また散って舞う。


  きれい~

花びらがまだ痛む手に
優しく触れた。



桜吹雪ってこんなことを言うんだね。
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