理想の結婚

家の近くまで来た時、
祥子はもう家の前で立っていた。


「家の中で待ってればよかったのに。」


俺がそう話しかけると、


「うん。」


祥子は微笑んだ。



久しぶりだなぁ、祥子の笑った顔。
俺がずっと好きだったこの笑顔。


妙に懐かしくて、愛おしい・・・


今日が最後になるのかな・・・



俺は車を止めて、サイドブレーキを引くと、
祥子が助手席にドアを開け乗ってきた。