LOVER OF LIE〜消セナイ想イ


「イオリ〜喉渇いた〜」


自販機の前にいたあたしにハルが近付いて来た。


「じゃあ、なんか飲めばー」


「奢って〜♪」


「やだ。あたし100円しか持ってないの」


そんなハルを無視して100円を入れようと取り出した時、

“チャリン”

お金の入る音。


「ちょ…ハル!割り込みー!」


買った飲み物を取る為にしゃがんだハルを睨む。


「ホラ」


そう言ってあたしを見上げて差し出した手には


あの時のコーヒー。


「…何?」


「ビンボーなイオリにお恵みを」






< 10 / 182 >

この作品をシェア

pagetop