LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
月日は流れ、
俺は二年に進級した。
当然、マナは卒業して…
希望通りの大学へと進んだ。
淋しくないって言ったら嘘になるけど、
そんな事に負けない自信はあったし。
新学期の朝、俺はクラス表を見て、書かれている教室へと向かう。
新しいクラスに入ると、まだほとんど人は居なくて。
だけど
ある一人の女子と目が合った。
……………あ。
あの時の……
「よろしく。
俺、田村 陽彰。ハルって呼んで?」
一人でいたその子に俺はさっさと自分の自己紹介を済ませる。
「あ―…あたし相沢 伊織。
イオリでいいよ。
それと前に……コーヒーありがと」
「え………?」
………驚いた。
お礼を言われるなんて思ってなかったから。
って言うより、
あんな事を覚えてたって事に驚いた。
「あ、覚えてないか」
「いや…覚えてたなんてびっくりして」