LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「ハルも…呼んだんでしょ?
あたし頑張って怖がらせてあげるからちゃんと連れておいでよ?
あ、ハルにはネタバレだけどね(笑)」
“誰”とは言えなかった。
あの人の名前を声に出すのはまだ辛いから。
あたしの言葉にハルは何も言わず、少し微笑んだ。
「うっわ。不気味だなぁ〜」
カイトの突拍子もない声が響く。
「…また出た」
「ひっで!俺は生徒会役員として見回りなの〜」
「ハイハイ、解ってるって」
ちゃんと仕事してるのは知ってるから。
相変わらずのこの喋り方は嫌いだけど。
でも
あたしはなんだかんだ言ってカイトには助けられてるんだよね……
「イオリ、先リハ行ってるから」
「あ…うん。すぐ行く…」
ハル……?
なんか様子がおかしい…?
一瞬、ピリピリした空気が流れたような…?