LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「頼むから…もうあんな事すんなよ」
「え……?」
それっきり、またハルは黙ってしまった。
だけど見上げるハルの表情は怒ってるみたいで
何も言えなくなってしまった。
何なの………
結局、あたしはハルに抱き上げられたまま。
……ってか
すごい注目されてない?
周りの視線が痛い。
まぁ…ドラキュラが女幽霊抱えてたら目立つのは当たり前なんだけど……
なんとか平静を保とうと深呼吸をした。
そんな周りの視線に、まったくお構いなしにハルは歩いて行く。
あたしはそっと目を閉じた。
ハルの
心臓の音が聞こえる。
ハルの
香りが胸を締め付ける。
………駄目。
これ以上は駄目だ。
あたしは込み上げる感情を必死で閉じ込めるように
もっと
固く固く
目を閉じた。