LOVER OF LIE〜消セナイ想イ


先生は優しく微笑んで

「頑張ってね」

とあたしに言った。



先生は気付いたのかもしれない。

あたしの気持ちに。


あたし…そんなに顔に出てるのかなぁ。


気をつけなきゃ…




「ありがとうございました」


今度はちゃんとお礼を言って保健室から出た。


「何事も無理しすぎは駄目よ。
何かあったらまた来なさい」


そう言う先生の意図は解らないけど


その言葉にあたしはなんだか安心した。



とりあえず教室まで戻ろうと歩き出す。


うん。

歩ける。


まだ少し腫れてる右足を庇うように足を踏み出す。


もう


ハルに迷惑はかけらんない。




どんな時も
あたしは自分で歩き出さなきゃ


先へは進めない。



あたしは一人でも大丈夫。


そう何度も言い聞かせて。




グイッ


!?!?!?



そう決めたのに……




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