LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
あたしはハルの背中にくっついて緩やかな風を感じていた。
「ねぇ…やっぱ重くない?」
「しーつーこーいー!
大丈夫だって(笑)
もっと太れ!!」
「えー!!」
ハルは友達から自転車を借りてくれて
あたしはハルの運転する自転車の後ろに乗っていた。
歩けるからって言っても聞いてくれなくて。
……嬉しいけど。
思えば今日はハルにくっついてばっかりだ。
うわ…
うわー……
一応、ケガしてるからって理由があるにせよ
やっぱり恥ずかしくて。
いちいちハルにトキメいて。
ああ
女の子してるよあたし。
……似合わないっつーの。
そんなふうに一人ボケ突っ込みをしてるなんて
痛いわ………
ハルはハルでなんか口ずさんでるし。
………?
何の歌??
なぁんか間の抜けたような音程に思わず笑ってしまった。