LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「ハルのせいだっつーの!!」
あたしは鏡を取り出してマスカラが滲んだ顔を見る。
ああ…ブサイクな顔。
「いーやつだなぁ…イオリは」
「何?いまさら気付いた訳ぇ?」
「うん」
相変わらずハルは辛そうな笑顔をあたしに向ける。
泣かないと決めたなら
あたしがいくらでも泣いてあげる。
ハルの代わりに。
その日、
あたしの中で何かが変わり出した。
それはとても苦しくて
愛しい気持ち。