LOVER OF LIE〜消セナイ想イ


「…そ?」


正直、あたしはまた泣きそうだった。

そんなふうに言ってもらえるなんて思わなかったから。


悔しいから絶対気付かれたくない。

そんなあたしはまた可愛くない態度を取る。


「じゃ、感謝して」


「してるよ。感謝しきれないくらい」


「…感謝とかキモい」


「ひでぇ」


きっと、こんなやり取りが
あたしとハルのいい距離なんだろうな。


あの日からますます大きくなってる気持ちを


見つからないようにするのが精一杯。


「あー…淋しい」


「はぁ…?」


「なんかさ…ぽっかり穴が開いた感じでさ。
別に前と対して生活変わってねーんだけど…」





< 21 / 182 >

この作品をシェア

pagetop