LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「ん。なんか集中できなくてさ。
まぁ…勝ったけど(笑)」
「なにそれ…」
あたしがいなかったから集中出来なかったって事………?
「あ、ほら」
「?」
鞄から出したのは、さっきまでハルがしてたハチマキ。
「交換するんだろ?みんな」
いや…決まりではないけど……
「ん?」
「……あたしの汚れてるし」
名前、掠れちゃったし。
「いーってそんなん」
「まだ乾いてないし」
「貸して」
有無を言わさないハルに、あたしは渋々ハチマキを取り出す。
「こーすれば乾く」
ハルは高く手を上げた。
陽射しは高く、まだ暑い。
ハチマキはハルの手によって
暑い夏の風に揺れている。