LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
ハル………?
どうしてそんなふうに
あたしに接するの?
どうしてそんなに……
優しいの?
「…ハル?
手…疲れるよ?」
「はぁ?全然〜」
楽しそうに手を上げてたなびくハチマキを見てる。
…さっき「疲れた」って言ったばっかじゃん。
「ハル」
ねぇ
ハルはどうしてあたしといるの?
「ん?何?」
喉まで出かかってる言葉。
「馬鹿だね」
聞けるわけない。
「はぁ〜〜〜!?」
“かわいそう”なんて
思わない。
“報われない”なんて
思わない。
あたしは充分
幸せなんだ。
あたしはハルのハチマキを握りしめて笑った。