LOVER OF LIE〜消セナイ想イ


「な……っ!?」


「それ、着て行きなよ」


おそらくそれはカイトのジャージ。


カイトは半袖姿でひらひらと手を振る。


「いらないー!!」


「まぁまぁ、照れんなよー(笑)
あ、返すのいつでもいーから♪」


「だからいらないっつーの!!!」


「じゃね〜♪」


「ちょっと!!!」


あたしを無視してカイトは視界から消えた。


返す…って


またアイツに会わなきゃなんないって事!?


冗談じゃない!!


あたしは化学準備室まで走った。


まだ濡れたままの姿で。



ガラッ


「はあっ……」


いない………


そこには誰の姿もなくて


さっきカイトが居たであろう場所の窓だけが開いたまま。


「閉めろつの!!」






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