LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
教室に戻ったあたしは席へと向かう。
まだ…ハルの顔が見れない。
あたしの手にはカイトのジャージ。
「イオリ?なんで三年のジャージ持ってんの?」
カナエがあたしに言う。
「……あー…なんか降って来た」
どうしよ…コレ……
アイツのクラスも知らないし。
てか、探す気もないけど。
でも持ってたってしょうがないよね………
「……カナエ、三年にカイトって名前のヤツいる?チャラそうで背が高くて…」
あたしは解る限りのカイトの風貌を伝える。
「カイト先輩の事!?何で……っ!?」
どうやら知ってるらしい……?
「何で…って
コレ、カイトのジャージ…」
「ええええっ!?」
あたしが言い終わる前に、カナエがまた声を上げる。
「知ってんの?」
「知ってるも何も…
イオリは知らないの!?」
知らないから聞いてんですけど。
段々イラついてきた。