LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「ねぇ、じゃあなんでカイト先輩の事知ったの?」
そう言ってジャージを指差す。
「あぁ……水かけられてびしょ濡れだったから………」
余計なお世話だ。
まったくもって不本意だけど!!
「さあっすが!
濡れたままだと可哀相だから貸してくれたんだね!!」
カナエの目はハート。
「…………」
いや…
そんなヤツじゃないよ。
「……てか!イオリ!!!
やっぱりさっきの誰かにやられたんだね!?」
しまった。
「いや、そんなたいした事ないし…」
これは本当。
「ムーカーツークー!ぐぇっ」
あたしは慌ててカナエの口を塞ぐ。
「声が大きい!」
ハルに聞こえるからっ!!
「ハルには内緒だからね!?」
あたしは有無をいわさない目で睨んだ。